" /> 【6年生音楽】ペガサスー青空は届くだろう 始まりの窓に | うたまなblog

【小6音楽】『ペガサス』の合唱あるある!詩の読み解きや伴奏スケジュールなど現場のリアルをまとめました【動画あり】

小学校音楽
2024年から小学校6年生の音楽教科書(教育芸術社)に新しく掲載された、
覚和歌子さん作詞・三宅悠太さん作曲の『ペガサス』。
独特の美しいハーモニーが魅力的な素晴らしい楽曲ですが、
歌詞が少し抽象的ですよね。
「子どもたちにどうアプローチすればいいか掴みにくい」と感じる方も
多いのではないでしょうか。
実はこの曲、4年生の音楽で、朗読+うた+リコーダーで演奏する
『ごんぎつね』を手掛けた三宅悠太さんの作品です。
私のYouTubeチャンネルでも、非常に多くの反響をいただいています。私は普段、Googleから認定(Player for Education)をいただき、
YouTubeなどのEdTech分野で音楽教材の動画制作をしています。
また、外部講師として実際の学校現場に赴き、音楽会やクラス合唱のサポートを
させていただくこともあります。

そこで今回の記事では、指導現場のリアルな悩みに寄り添い、『ペガサス』という
モチーフに隠された深いメッセージの読み解き方を徹底解説!
さらに、子どもたちが「ハモる楽しさ」を自ら発見し、主体的に歌いたくなる
丁寧な指導アプローチをご紹介します。
👇 二部合唱でうたう!『ペガサス』の演奏動画はこちら

🎓 タブレットを活用して子どもたちが自らイメージの根拠を見つける

6年生の音楽活動を見ていると、大人が「ペガサスは自由の象徴だから明るく歌おう」と
答えをはじめに提示してしまうのは、少しもったいないなと感じることがあります。
いまや小学校ではタブレットが日常の道具。この曲こそ、子どもたちの「探究の心」をくすぐる
最高の教材になります。
「ペガサスってどんな特徴がある生き物かな?歌詞のどこに重なるだろう?」と問いかけてみると、子どもたちは自分たちで調べ、驚くほど豊かなイメージの根拠を見つけ出します。
自分にとっての「自由」とは何かを考え、友達の描く物語をお互いに尊重し合う。
そんな温かい対話の時間こそが、歌声に深みをもたらすことにつながります。

🎓私たち大人が持っておきたい「ペガサス」の背景知識

子どもたちに問いかける前に、まずは私たち大人が、ペガサスというモチーフが持つ
本来の意味を、頭の片隅に置くために、ここに簡潔に書き起こしておきます。

    • 自由:翼を持ち大空を自由に飛ぶ姿から、精神的な自由や解放の象徴
    • インスピレーション:ギリシャ神話の関わりから、詩や芸術のひらめきの象徴
    • 希望:どんな困難な状況でも、希望を抱いて進む力の象徴

「だからこの曲は、いい感じに胸に迫ってくるんだな〜!」と、
子どもたちは、最初は理屈ではわからないけど、曲に触れていくことで
たくさん感受性を揺さぶられて、この曲を好きになってしまうんだと思います。

💻 子どもたちが自らイメージの根拠を見つける

この背景知識については、ぜひタブレットを使って子どもたち自身の手で見つけに行かせて
あげてほしいなと思います。
    • 問いかけの例:「ペガサスって、どんな特徴がある生き物かな?」
    • 探究の視点:「この歌詞のどこが、ペガサスの特徴と重なるだろう?」

子どもたちが自分で調べ、「あ、ペガサスって自由の象徴なんだ!
歌詞の中に、自由をイメージさせる言葉はどこにあるんだろう?
『青空』、『翼』、『翼振るわす風』かな?と自分なりに想像を膨らませた
イメージの根拠をはっきりさせていく。これだけで、歌に込める想いの深さが
ガラリと変わります。

「自分にとっての自由とは何か」を深く考えたり、友達の描く物語を
お互いに尊重し合ったりするそのような温かい対話の時間を持って、
そうしてうたうことに取り組んでもらえたら!
歌声に、そのクラスごとの独自の色がたちのぼっていくようになります!
このプロセスを、ぜひ取り入れていただきたいなと思います。

ハーモニーの壁にぶつかったときの対処法

🎼 下パートの音が迷子になっても大丈夫!世界に一つの響きをみんなで作る

美しい二部合唱の曲ですが、最初からすんなりと、あっさりとハーモニーが完成することは
滅多にありません。
特に下パート(アルト)を担当する子どもたちは、「1人なら歌えるのに、
合わせると急にごちゃごちゃになって音が分からなくなる…💦」
という壁に必ずぶつかるものです。
もし音が迷子になったときに、子どもたちが安心して練習できるよう、
私が制作した下パート用の練習動画も、
ぜひ授業の隙間時間などに活用していただければ幸いです。

💡 【先生向け解説】なぜアルトが「高め・明るめ」に歌うとハモるのか?

アルトが迷子になりやすい最大の原因は、音が低くなるにつれて声のポイントが下がり、
響きがこもってしまうことにあります。響きが暗くなると音程がぶら下がり、
ソプラノの音と引き合わなくなってしまうのです。そこで指導の鍵となるのが、「声のポジション(響き)をあえて高めに、明るくキープする」


正しい音程をただ真面目になぞるだけでなく、下から上へエネルギーを押し上げるように
歌うことで、ソプラノのメロディと美しい倍音で噛み合うようになります。

アルトが明るく支え、ソプラノがそれを聴いて軽やかに乗る。
この「双方向の歌いやすさに対する配慮」が生まれた瞬間、お互いの声が引き寄せ合い、
案外簡単に迷子から脱出することができたりします。

🗣️ 【子どもたちへの声掛け】6年生の心に響くアプローチ例

クラスの状況や、子どもたちの様子に合わせて、以下のような言葉でアプローチ
してみてください。
  • イメージで伝えるとき(土台とクッション)
    「アルトの皆さん、自分の声を低い音だと思わなくて大丈夫!むしろ声を高めに、
    明るく響かせて、ソプラノを優しく下から持ち上げてあげる
    イメージで歌ってみてね。
    アルトがふかふかの『温かいクッション』を作って、ソプラノはその上に
    『ふんわりと軽やかに乗っかる』感じだと、いいバランスになるよ」

  • 高学年ならではの「信頼関係」を促すとき
    「合唱でハモるっていうのは、自分の音を必死に守ることじゃなくて、
    隣のパートを歌いやすくしてあげることなんだよ。
    アルトは、ソプラノが安心して上に乗れるようにクリアな声で支える。
    ソプラノは、アルトの支えをよく聴いて、その響きの上で優しく、軽く
    ふんわり漂う感じに、乗っかるように歌うとハーモニーが出来上がってきたりする。
    自分の音しか見えなくなると迷子になるけれど、相手の様子を感じ取ったり、
    思いやった瞬間、いきなりスッと美しい響きが生まれたりするよ。」
    教科書には「人の声はその人固有のもので、世界に1つ。自分の声も、
    友達の声も尊重しよう」という素敵なメッセージが書かれています。

    6年生の音楽は専科の先生が担当されている学校も多いですが、
    秋の音楽会に向けて声を合わせ、お互いを思いやったその瞬間のハーモニーは、
    まさに世界にたった一つ。隣のクラスや他の学校とさえ、絶対におんなじにはなりません。私自身、外部講師としてたくさんの子どもたちの合唱に関わってきましたが、
    自分たちのクラスにしかない声、響き、表現をみんなで模索する過程は、
    子どもたち同士のつながりや、お互いを尊重し合う心を育むかけがえのない時間
    になると実感しています。

    本番を終えたとき、子どもたちの表情には大きな達成感があふれているはずです。
    音楽の時間を通して育ったその確かな絆が、普段の教室(学級)へ戻ったときにも、
    きっと素敵なエネルギーとして還元されていくことでしょう!

    【授業設計】いきなり『ペガサス』から入るのが難しいときの「寄り道」カリキュラム

    🎵 クラスの合唱経験に合わせて「学習の順番」を入れ替えてもいい

2024年の教科書改訂により、6年生の最初の方に登場するようになった『ペガサス』。

非常に魅力的な曲なので「早く歌わせてあげたい!」とワクワクする反面、
実はクラスの実態によっては、4月のスタート曲にするにはハードルが高すぎるケース
あります。
    • エネルギーで乗り越えられるクラス:5年生までに十分な合唱経験があり、
      「ハモる心地よさ」を知っている。
    • 迷子になりやすいクラス:これまでにあまりハーモニー作りの経験がない。
      または、クラス替え直後でまだお互いの声の聴き合い(勝手)が掴めていない。

もし後者の場合、おしゃれで予測がつきにくい『ペガサス』の和音は、子どもたちにとって
「なんだかよく分からない、難しい曲」になってしまいがちです。

そこでおすすめしたいのが、あえて教科書の順番通りに進めず、
「他の曲でハーモニーの基礎体力をつけてから、満を持してペガサスに戻ってくる」という
アプローチです。

🌟ハーモニーの土台を作るのにおすすめの「寄り道曲」

『ペガサス』の二部合唱に挑戦する前に、以下のような定番曲で「ハモる楽しさ」と
「耳の使い方のコツ」をしっかり経験しておくのが近道になります。
    • 『星の世界』など:伝統的でクリアな和声(ドミソの響きなど)の曲。
      次に進む音の予測が立てやすく、相手の声を聴きながらハモる感覚を掴むのに最適です。
    • まずは「追っかけ(カノン)」や「短いフレーズ」から:長い曲をいきなりハモるのではなく、簡単なカノンや、1フレーズだけの簡単なハモり遊びで「音がピタッと重なる快感」を
      脳と耳に覚えさせます。

「伝統的なハーモニーの心地よさ」を十分に味わった子どもたちは、耳の使い方が育っています。その状態で『ペガサス』に戻ってくると、「うわぁ、この曲の響き、なんだかちょっとおしゃれでカッコいい!」と、その難解さを魅力としてポジティブに捉えられるようになります。

📅 【動画活用マップ】4月から卒業式まで!『ペガサス』に取り組む無理のない流れ

私のYouTubeチャンネルの視聴データや、実際の現場でのサポート経験から、子どもたちが無理なく『ペガサス』を楽しめる年間スケジュールをまとめてみました。
  • 🌸 4月【まずは斉唱で出会う】:いきなり難しい二部合唱に挑戦すると壁を感じてしまいがちです。まずは全員で同じメロディを歌う斉唱からスタートし、「この曲カッコいい!」という愛着を貯金する時期です。
  • ☀️ 夏休み前【重要:伴奏譜のバトンタッチ】:三宅悠太さんの楽曲は、ピアノ伴奏も非常にドラマチックで繊細です。秋の音楽会に向けて取り組む場合、夏休み前に伴奏のお子さんに楽譜を渡しておくのがベスト。夏休みのまとまった時間にじっくり譜読みができる環境を作ってあげるのが、本人の負担を減らす最高の配慮になります。
  • 🍁 2学期〜音楽会【音作りと一体感】:ここから本格的なハモり練習です。私が制作した下パート用の練習動画などを隙間時間に活用していただきながら、焦らず音を重ねていきます。おわりに:世界にひとつだけの『ペガサス』を育てる

     

    2024年に教科書に加わった『ペガサス』は、ハーモニーも伴奏もおしゃれで洗練されている分、一筋縄ではいかない難しさを持った楽曲です。
    しかし、4月に斉唱で出会い、夏休みに伴奏のバトンを渡し、2学期にみんなで声を重ねていく……。
    そんな風に時間をかけてじっくり向き合った先にある、バシッとハモった瞬間のカッコよさと鳥肌が立つような感動は、子どもたちにとって何物にも代えがたい宝物になります。
    音楽の時間を通して育ったその確かな絆は、子どもたちが普段の教室(学級)へ戻ったときにも、きっと素敵なエネルギーとして還元されていくことでしょう。そしてその成功体験が、小学校生活の集大成である感動の卒業式へと繋がっていきます。
    音が迷子になったり、伴奏の難しさに白目むきそうになったりしたときは、ぜひ私のYouTubeチャンネルにある『ペガサス』の練習動画も息抜きがてら活用してみてくださいね。
    みなさんのクラスにしか作れない、世界にたったひとつの素敵な『ペガサス』が羽ばたく瞬間を、画面の向こうから心より応援しています!

 

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